神戸市の田んぼで「金色のおたまじゃくし」が見つかったと話題になっています。本来なら黒いはずのおたまじゃくしが、なぜ金色になるのか?成長したら何色のカエルになるのか?などまとめてみました。
金色のおたまじゃくし発見!
「数千匹に1匹という確率…」金色のオタマジャクシ発見 神戸・北区の田んぼで10匹以上https://t.co/fC3wqkzb2R
— 神戸新聞 (@kobeshinbun) June 17, 2022
金色だと田んぼの中でも目につきますよね。しかも、1匹ではなく10匹以上いるなんて!
専門家によれば「数千匹に1匹」の確率で生まれるといいますが、同じ親から生まれても1匹だけ金色、ということがほとんど。
たくさん一度に見つかるのは珍しいのだそうです。
なぜ金色のオタマジャクシなのか?
遺伝子の突然変異で黒色の色素を作れない「アルビノ」であることがわかっています。白っぽく見えることもあるようですが、場合によっては金色にも見えるんですね。
成長したら金色のカエルになるの?
アマガエルの黒いオタマジャクシは、成長すると緑色になりますよね。
では、金色のオタマジャクシは何色のカエルになるのでしょうか?
これまでに、カエルに成長した「金色のオタマジャクシ」がどうだったのか調べてみました。
2021年夏に金色のオタマジャクシの発見例があり、カエルにまで成長していました!
金色のカエルに成長城島小児童が変異種発見城島小2年生の河野凌大さん(8)が、小鍋島の自宅付近の用水路で金色のオタマジャクシを捕獲し、金色のカエルに成長させた。
河野さんが30匹ほどおたまじゃくしを捕まえた中に、金色のものを発見した。カエルの全長は約2cm、瞳は成長とともに橙色になった。
広島大学両生類研究センターに所属する三浦郁夫准教授によると、河野さんの成長させたカエルはニホンアマガエルのアルビノであると分かった。「アルビノ」は、黒い色素を作る遺伝子が突然変異で機能しなくなった個体。「遺伝子突然変異の確率は通常極めて低く、該当の遺伝子を持つ雌雄が出会ってアルビノが生じる場合もある。生息地が狭くなると同じ雌雄で交配する可能性が高くなり、アルビノが生じる可能性が高くなります」と解説した。
河野さんは過去に金のオタマジャクシを見つけたことはあったが捕まえたのは初めて。発見した際、病気なのかと疑問に思ったが、小学校で珍しいと話題に。「カエルに成長したら足が長くて元気に跳ねる。捕まえられてよかった」と話した。
引用:タウンニュース平塚版
大量に見つかった理由
とても珍しいと言われる「金色のオタマジャクシ」がなぜ大量に見つかったのでしょうか。
近年、黒色ではないオタマジャクシが各地で発見されている模様です。
広島の田んぼでは「ピンクのオタマジャクシ」が数匹見つかったそうです。
このとき、カエルに詳しい広島大学の三浦郁夫准教授が説明しています。
三浦准教授「突然変異はいつ起きたかはわからないが、たまたまオタマジャクシの両親がその(アルビノの)遺伝子を持っていて、この田んぼでその両親の子どもが生まれたので、たくさん出てきた」
両親がアルビノ遺伝子を1つずつ持っている場合、子どもの25%がアルビノ体質を現すことになります。つまり1組のペアから500個の卵が生まれるとすれば125匹のオタマジャクシがアルビノとなる可能性があると三浦さんは話します。
アルビノのオタマジャクシがたくさん現れる背景には、近年の水田の減少が影響しているそうです。
三浦准教授「(アルビノ遺伝子を持つカエル同士が)出会う確率が高くなるというか、例えば水田がたくさんあるとそれなりに移動するので、確率自体はそうそうないが、他にいけなくなると出会う確率そのものが高くなるので」
もしかすると、来年も、再来年もこの田んぼでは「ピンクのオタマジャクシ」がたくさん見られるのかもしれません。
引用:RCC NEWS
両親のどちらもアルビノ遺伝子を持っていると、子どもの25%がアルビノ体質を現すことになるんですね。
これからもカラフルなオタマジャクシの発見が増えそうです。
まとめ
以上、金色のオタマジャクシについてまとめてみました。
・金色なのは、遺伝子の突然変異で黒い色素を作れないから
・成長すると金色のカエルになった例がある
・条件によっては黒くないオタマジャクシが大量発生する可能性もある
ということがわかりましたね。
次は「金色のカエル」のニュースを待ちましょう!